1,私の夢〜Community Of Trees
地域の外(世界)に出るからこそ気づくことがたくさんあった。
私自身、ある転機をきっかけにアメリカへ放浪の旅に出てネイティブ・アメリカンであるラコタの居留区を訪れ、彼らと生活することになった。
それから気がつけば10年。
おもしろいことに彼らとの生活をとおして自分自身のルーツ(被差別部落出身)の根を伸ばし、そして、被差別部落の良さと同時に、課題も見えてきた。
そして、高槻というふるさとへ還ってくることを決断した時に一つの夢をもって帰ってきた。
それは先人の多くの人たちが、並々ならぬ努力のなかで培ってくださったものを受けるからこそ、次に育てていきたいもの。
地域を森にたとえるなら、高槻という場所がさまざまな個性のある木が育つ森となること。
ラコタの人たちは人の生き方を象徴的に木にたとえる。木は様々な個性をもって立っている。杉のようにまっすぐに立つ木があれば、種が傾斜に落ちてもその矛盾を抱えながらも根っこで石をつかんで立っているもの、育つ途中で雷をうけ、木の一部がえぐれてもなおその傷を生き物が育つための巣として受け入れ生きる木・・・・ そんな木木が育つ森(Community Of Trees)をつくるという夢。
そんな風に人と人が豊かにつながることができればと願っているしそんな場をつくりたい。
それは言い換えるなら「差別をなくす」という目的のために「差別をする人」を変えようと必死に働きかけていくのではなく、もっとフラットに人と人が互いの違いや背景も含めて豊かにつながることで結果として差別がなくなっている状態を目指すこと。
それは差別が本当に厳しく「豊かにつながる」などという生ぬるいことがいえない時代に「差別をなくす」ためにがんばってきてくれた多くの人たちがいるからこそ、今描ける姿。
以前この夢は、夢物語だった。ある出来事によって差別の現実を目の当たりにしその夢が途切れかけたこともあった。
しかし、今、その夢の実現のためにできることもあり、その芽ももう出始めている。
そんな新たな物語を紡ぐ時に来たのだと私は思う。
環境教育事務所「COT」主宰 岡本工介
(解放新聞「マチからムラから」投稿記事より)
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